岡山県の会陽まとめ
『西大寺会陽・宝木納めの儀式』を取材させて頂きました。【平成29年】
西大寺会陽から3日後に『宝木納めの儀式』が行われます。
西大寺会陽のもう一つの姿は「宝木納めの儀(諸礼)」にありました。
祝主:株式会社フジワラテクノアート 様
福男:林グループ 様
祝主:トヨタカローラ岡山株式会社 様
福男:高原グループ 様
林グループ 様
高原グループ 様
平成29年2月21日(火)
日本三大奇祭・西大寺会陽の祝主様、取り主(福男)様、寺総代が山主(西大寺観音院住職様)の元、宝木納めの儀式(諸礼)が行われました。
会陽当日は、裸にまわしの方たちが、正装して続々と登場。高原グループの皆さん、林グループの皆さんそれぞれに写真撮影のお願いを快く受けて頂き笑顔の撮影。(ありがとうございます!)
控室での福男の皆さん
祝主様、福男様、それぞれ別の控室で、その時を待ちます。
これから始まる儀式に少し緊張されているようです。
2組の福男様が同じ席で話される機会は初めて。皆さん笑顔で会陽当日の話をされているのでしょうか。見ているだけで福を頂いているように感じます。
本堂での読経が始まります。
本堂にて読経を上げます
中央には宝木(寶木しんぎ)
読経があげられる中、ピンと張り詰めた空気が流れます
住職様を先頭に、祝主の方々が本堂へ。そして福男の皆さんも本堂に揃われました。
読経の始まりです。中央には宝木(寳木しんぎ)。読経が流れる中、静かに時が流れていきます。
3日前の西大寺会陽とは全くの異空間。この場にいる皆さんはどのような想いでこの時間を過ごされたのでしょう。
読経が終わると客殿の大広間に移動し、三宝の儀が始まります。
宝木納めの儀式は諸礼(三宝の儀)から始まります。
客殿の大広間。儀式が始まる直前。緊張感が伝わります。
流れはこちら
上段中央:熨斗(のし)
下段右:雄蝶の銚子
下段左:雌蝶の銚子
皆さんが大広間に揃われ、宝木納めの儀式が始まります。小笠原流礼法を取り入れた三宝の式で執り行われます。小笠原流礼法の基本は「相手を大切に思うこころ」だそうです。
【三宝の儀】
熨斗(のし)、雄蝶の銚子、雌蝶の銚子を山主(西大寺観音院住職)、祝主、院内世話役奉賛会/檀家総代・事務局長・正使、右側へ移り取り主(福男)、総代の順に受け取っていきます。
ピンと張り詰めた雰囲気の中、稚児さまの畳を擦る音だけが聞こえてきます。
それぞれの意味はこちらをご覧ください。
→ 福を賜ったら! 諸礼(宝木納めの儀式)編(西大寺観音院Ver) 長い時間を経た『三宝の儀』が終わりました。
祝主より福男へ 院内世話役奉賛会/檀家総代より福男へ
株式会社フジワラテクノアート様より林グループの皆さんへ
トヨタカローラ岡山株式会社様より高原グループの皆さんへ
福男の皆さんへそれぞれ祝主様より御祝儀贈呈が行われます。
その後、院内世話役奉賛会/檀家総代様よりあかしの証状と御祝金贈呈が行われます。
祝主として。福男として。
住職様、祝主様、福男の皆さんの挨拶、写真撮影、会食と進みます。
今回祝主を務められた株式会社フジワラテクノアート様、トヨタカローラ岡山株式会社様ともに、「祝主をさせて頂いて心から幸せです」とのお言葉がありました。会社としても会陽に参加され、週明けに出社された社員の皆さんが口々に「本当に参加して良かった。」「来年もぜひ参加したい」とおっしゃっているそうです。
また住職様から「この顔ぶれでここに集まる事はとても縁深いことです。全員がここに集まる事はきっと一生ない。この縁、時間を大切に思って頂きたい。」とのお言葉がありました。
今年初めて宝木を授かった「高原グループ」の皆さん。諦めなくてよかった。観音様に見ていて頂けたのかなと満面の笑みでお話ししてくださいました。
また2年連続という想像できない福を授かった「林グループ」の皆さん。この福を、周りの人や皆が健康にとお話しされていました。
皆さん、和やかに過ごされたのち、静かに終焉が訪れます。道具磨きから始まり、宝木納めの儀式まで。ここで西大寺会陽の行事は完結となります。
特別にお膳の大公開!!!最後に湯とうを頂きお食事も終了です。
貴重な体験をさせて頂きました
1万人と言われる裸(参加者)の中からたった2本の宝木を手にする。強運は不可欠でしょう。そして、この西大寺に伝わる伝統的な会陽を大切に引き継いでいく、また観音様を大切にされる方、すべてが揃った方にきちんとたどり着くようになっているような気がします。
そして、福男になった皆さんは、今まで以上に使命を持って、この伝統行事を伝え続けていかれるのでしょう。
今年会陽に携わる行事を取材をさせて頂き、とても印象に残ったのが『水垢離行(みずごりぎょう)』です。
会陽当日に水に入って身を清める事を「水垢離(みずごり)」と言いますが、会陽当日14日前より、朝夕2回、ここに入り、約5分間の祈祷を行う、まさに修『行』です。
高原グループ、林グループの皆さん、この行を毎日されていたそうです。
私が訪れた日は、見ているこちらが震え上がりそうな中、10代から93歳の方が水垢離をされていました。お子さんが入られることもあるようで、時には5歳のお子さんも!!!
「腰まで浸かっている冷たい水の中で、太陽ってこんなに暖かいんだなあって思う。」
とても印象深い言葉でした。
会陽は当日のみが注目されがちですが、当日を迎えるまでの厳かな行事が粛々と行われています。深く、正しい会陽を知ることで、もっともっと魅力が伝わればと思います。
今後も会陽の伝統をいろいろな角度から伝え続けていきます!
【水垢離行など西大寺会陽の行事・奉仕作業などはこちらから】 14日間行われる水垢離行(みずごりぎょう)
冷たい水の中、全員で読経をあげます