真冬の北アルプスに、一筋の赤い閃光が流れて落ちた――。

偶然その場に居合わせたフリーカメラマンの西崎（大沢）は慌ててシャッターを切る。それが全ての始まりだった。
西崎は後輩の新聞記者落合（玉木）と供に閃光の正体を追って墜落現場へと向かう。
その頃、二人以外にもその現場を目指す者たちがいた。特殊訓練を受けた自衛隊が小隊を連ねて雪中行軍を続け、そして機銃を手に白装束に身を包んだ某国“工作員”たちもまた、その現場を目指していた。

彼らが目指す場所。そこに墜落したのはなんと、米軍のB―５。通称ミッドナイト イーグル。レーダーにも映らないといわれているステルス型戦略爆撃機だった――。
しかも、そのステルスには特殊爆弾が搭載されており、起爆すれば日本全土に及ぶ、国家的危機が訪れる。果たして彼らの命運と日本の存亡はいかに・・・。！？

といったプロットで映画は厳冬の北アルプスを舞台に激しいアクションと、サスペンスを孕みながら一気に見せる。全編これ息もつかせぬほどの圧倒的な面白さだ！

何故？米軍横田基地に“工作員”たちがいとも簡単に侵入できたのか？ステルスに爆弾を装着させ墜落までさせることが出来たのか？トップクラスの自衛隊員の精鋭たちよりも“工作員”たちの方が数多く、白兵戦に長けているのか？？などなど、突っ込みだしたらきりがないのだが、そんなシチュエーションなどぶっとばすほどの映画的な説得力がこの映画にはある。
実のところ、茶柱は「ホワイトアウト」や「亡国のイージス」より数段面白かった。それは両作にはない壮大な人間ドラマがこの映画の根底に流れているからだ。親と子、友情、師弟、国を超えた絆・・・。様々な愛のカタチがこの映画にはてんこ盛りなのだ。
中でも自衛隊員を演じる吉田栄作の弁えた演技がいい。いや、絶品！いや、最高！

「俺は西崎という戦場カメラマンの撮った写真を見て、平和の尊さを知った。平和を守るため自衛隊員になった」みたいな台詞を大沢たかおに向けるときの吉田栄作の目の表情がたまらん！

美味しいところをぜ～～んぶ独り占め！なのだ。とにかく必見！


text by...  茶柱達蔵

2007/11/27