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Cute Movies

オリヲン座からの招待状

監督:三枝健起

ありがとう、あなたがいてくれたこと
時代に翻弄されながらも、映画館を守り続けたふたりの純愛
― 優しい奇蹟の物語

【ストーリー】
「突然ではございますが、昭和25年の開館以来半世紀以上にわたって地元の皆様に愛され親しまれて参りましたオリヲン座は、誠に勝手ながら今秋をもちまして閉館いたす事と相成りました」

そんな招待状が、ゆかりの人々の元へ送られてくる。
昭和30年代、先代の館主・豊田松蔵(宇崎竜童)が病に倒れ、その弟子であった留吉(加瀬亮)が、その志を引き継ぎ先代の妻・トヨ(宮沢りえ)と映画館を守る事となった。古い時代、周囲の人々からは師匠のかみさんを寝取った若主人、不義理な女将などと陰口を叩かれたりもした。
さらには映画産業が斜陽になり始め、貧乏に耐えながらもひたすら映画を愛し、映画の灯を灯し続けたふたり、そして何よりも純粋にお互いを思いやり、愛し続けたのだった。

一方そんなオリヲン座を一番の遊び場としていた幼い子供がいた。ふたりは毎日映写室の小窓から名画を覗いて成長した。やがて大人になり、結婚して東京で生活を送っていたが、いつしかお互いを思いやる心を見失い、別れを決意していた。そんな祐次(田口トモロヲ)と良枝(樋口可南子)の元に、まるで何かを予感させる様に、一通の招待状が届くのだった。
     (c)2007「オリヲン座からの招待状」製作委員会 より


とても静かで、心に染み入る映画だ。
映画産業が傾き始め、貧乏生活を強いられながらも、毎日ただひたすらに映画館を守り続けていく留吉とトヨの姿は、見ていて胸を打たれる。
お互いを思いやる優しさと愛情に、涙があふれる。何十年も同じことを繰り返して、一つのことを愛し続けることは、簡単なようでとても難しいことだ。
宮沢りえ(トヨ役)の京都なまりの優しいしゃべり方は、いつまでも心地よく耳に残る。

テーマ曲を担当するのは、世界的ジャズピアニストの上原ひろみ。映画全体を優しく包み込むピアノの音色とメロディは、ますます心を震わせ、感動を誘う。

原作は浅田次郎。「鉄道員」から八年。ファン待望の映画化がついに実現。
この秋、涙なしでは見られない優しい奇跡の作品だ。


text by...  岡原文恵

2007/11/02

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