この作品には、だれよりも海を、波を、風を、そして家族を愛した世界的プロウインドサーファー・飯島夏樹氏の魂と、彼を支え続けた人々の深い愛が込められている。

＜ストーリー＞
ウインドサーフィン・ワールドカップ優勝を目指し、食事も寝床もままならぬ貧乏暮らしを続けながら世界中を転戦を続けていた飯島夏樹と妻・寛子。
1991年、夏樹はついにオーストラリア大会で優勝し、彼をずっと支え続けてきた妻・寛子とともにハワイで暮らし始める。しかし、4人の子どもたちにも恵まれ幸せな日々を送っていた夏樹と寛子に思いもよらぬ出来事が…。
夏樹を病魔が襲ったのだ。肝細胞ガンだ。

迫り来る「死」への恐怖から、うつ病やパニック症候群を併発した夏樹を、家族や友人、そして彼のファン等、多くの人々が支えた。一時はレースに勝てなくなってしまい、家族を顧みなくなった夏樹に反発していた長女・小夏も、父のために必死でウインドサーフィンの練習に励んだ。そんな小夏の姿を目にし、自然（やがて訪れる死）に逆らわず、最期の瞬間まで一生懸命生き続けようと決意した夏樹は、病気と向き合いながら日々の生活を自らのブログに綴り、家族との時間を一寸たりとも無駄にせず毎日を過ごしたのだった。ハワイの地で大好きな風を感じながら…。

＜夫婦愛、家族愛とは＞
彼は最期の瞬間まで前を向いていた。生きることの意味は時間の長さに比例するわけではない。
夏樹と寛子が過ごした時間、そして家族6人で過ごした時間は決して長くはなかったものの、彼らの絆は何よりも強く、たとえ夏樹が天国に行き、家族との距離は遠く離れていても、いつでも夏樹は寛子や子どもたちのそばにいるに違いない。

夫婦とは？家族とは？
人を想う心と、生きることの意味を強く感じさせられる作品。
この映画を観終わったとき、きっとあなたの心の中に大切な人への熱い想いが込み上げてくることだろう。


text by...  dariyo

2007/08/21